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アメリカで行なわれている自由教育は、日本の教室のように、なんの準備もないところで、子供たちに「さあ、自由に考えてごらん」と言うようなやり方ではないのです。 ましてや、アメリカの指導者は、「子供の学力がどの方向に伸びていくのか見当がつかないけれども、まずやらせてみる」という無責任な方法など、とっていません。
どのような方向にせよ、子供が知識を前進させることができるように、多方面へのアドバイスを事前に準備しているのです。 最近は日本の幼稚園などでも、子供の自主性に任せて、子供が好きなように遊べるよう見守るという方法がとられているようです。
子供の自主性に任せるという方法が、「単に見ているだけ」ということであれば、教育の放棄であって、教育者として、なんらかの価値を生んでいるとは言えません。 確かにアメリカにも、子供が自主的に動くことを尊重し、教師は一歩下がってアドバイスをするだけという方式の幼稚園があります。
そうした幼稚園では大変な設備投資がなされていて、山のような幾種類ものおもちゃが、教室に惜しげもなく出されています。 日本の幼稚園ではまず見られない光景です。
日本の幼稚園では、教具はほとんど部屋にしまわれており、必要なときにだけ取り出してきて、子供に使わせるというかたちになっています。 そうしたやり方では、子供は興味が向いたときに好きなだけ熱中するということができません。
先生が取り出してきたおもちゃが、自分の意に沿わないものであったり、早く片づけられてしまったりすると、子供が自主的に遊ぶことは難しいのです。 したがって、子供を自主的に遊ばせるためには、下準備として大変な設備投資が必要になります。
日本の幼稚園は、子供の自主性に任せた教育をするとき、それだけの設備投資をして、子供が自由に使えるおもちゃを大量に与えているでしょうか。 ほとんどの教具をしまったままにして、少ないおもちゃしか与えていないのに、「子供を自主的に遊ぶようにさせる」という方式をとっているならば、それは教育の退化でしかありません。

こうした退化をまねくよりは、以前からよく行なわれていたやり方ではありますが、全員で一緒に、折り紙をしたり、粘土をこられたり、歌を歌ったりして、大人からの指導や働きかけを受けられる集団教育のほうが、子供にとってはよい教育になります。 個性や自主性を生かす教育というのは、非常に手間がかかります。

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